ここまでの記事で、成績管理表づくりに使う関数をひとつずつ見てきました。今回はその総まとめとして、全関数の早見表を1つのページに整理します。「あの計算、どの関数だったっけ」と迷ったときに、まずこのページを開けば該当する解説にたどり着けるようにしてあります。
この記事の使い方
「関数名」と「成績管理表でどこに使ったか」をセットにした一覧表です。関数名を思い出せなくても、「打率を出したい」「特定の選手だけ数えたい」といった目的から近い行を探せば、対応する関数とその解説記事にたどり着けます。ブックマークしておいて、辞書代わりに使ってください。
成績管理表を機能別に振り返る
大阪グーニーズの成績管理表では、集計・条件分岐・検索・文字列処理・日付・配列という6つの働きを、目的に応じて関数で使い分けています。ここではその全体を8つのグループに分けて一覧にします。
①基礎集計
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| SUM | 範囲内の数値だけを合算する | 安打数のシーズン合計 |
| COUNTA | 空白でないセルを種類問わず数える | シーズン出場試合数のカウント |
| COUNT | 数値が入っているセルだけを数える | 打数が入力されている試合数 |
| COUNTIF | 条件に一致するセルだけを数える | 特定選手の出場試合数 |
| AVERAGE | 合計÷件数を内部で自動計算する | 1試合あたりの平均安打数 |
| MAX / MIN | 1セルずつ比較しながら最大・最小を更新する | シーズン最多安打試合・最少失点試合 |
| ROUND系 | 四捨五入・切り捨て・切り上げを桁指定で行う | 打率を3桁表示に揃える |
| 空白とゼロの違い | 未入力(空白)と0では集計関数の反応が変わる | 欠場試合の打数欄が空白かゼロかで平均が変わる例 |
②条件付き集計
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| SUMIF | 条件に一致する行だけを合算する | 特定投手の自責点合計 |
| SUMIFS | 複数条件をAND条件で絞り込んでから合算する | 「対戦相手×年度」別の得点合計 |
| COUNTIFS | 複数条件でのカウント、書式はSUMIFSと共通 | 「先発かつ勝利」の試合数 |
| AVERAGEIF | 条件付きの平均、0除算エラーに注意 | 先発登板時のみの防御率平均 |
| AVERAGEIFS | 複数条件での平均 | 「対○○戦×自宅」での平均得点 |
| 比較演算子・ワイルドカード | 条件式の書き方の基本ルール | 打数3以上の試合だけ抽出する条件式 |
| OR条件の工夫 | 標準はAND条件のみ、OR条件は配列で実現する | 「勝ちor引分」の試合数を1つの式で出す |
| 複合条件集計まとめ | 複数の条件付き関数を組み合わせる設計の考え方 | 月別×選手別のクロス集計表作成 |
③論理・分岐
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| IF | 条件式の真偽で処理を分岐させる | 打席結果の記号から「安打かどうか」を自動判定 |
| IFS | IFのネストを避けて複数条件を並べられる | 打席結果記号を単打/二塁打/三塁打/本塁打に自動分類 |
| AND / OR | 複数条件の真偽を1つのTRUE/FALSEにまとめる | 規定打席到達の判定(打数条件かつ試合数条件) |
| NOT | 条件の真偽を反転させる | 「未出場でない」選手だけ抽出 |
| IFERROR | エラー発生時に代替値を返す | シーズン序盤で打数0のときの打率表示エラー回避 |
| IFNA | #N/Aエラーだけに特化して対処する | VLOOKUP失敗時に「未登録」と表示 |
| ネストの考え方 | 関数を重ねるときの評価順序と可読性の注意点 | IF×IFERRORを組み合わせた打率表示式 |
④検索・参照
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| VLOOKUP | 検索範囲の左端列を探し右方向にずらして値を返す | 選手マスタから背番号・守備位置を引く |
| HLOOKUP | VLOOKUPの縦横が逆になった動き | 年度を横に並べた表からの参照 |
| INDEX | 行番号・列番号を指定してセルの値を返す | 表内の特定位置の成績を取得 |
| MATCH | 検索値が範囲内の何番目にあるかを返す | 選手名から行番号を特定 |
| INDEX+MATCH | VLOOKUPの「左端限定」の制約を回避する組み合わせ | 選手名から左側にある背番号を取得 |
| XLOOKUP | VLOOKUPの弱点を解消した新しい検索関数 | 選手マスタ参照をシンプルな式に置き換え |
| 検索関数のエラー対策 | #N/Aの典型パターンとIFERROR/IFNAの組み合わせ | 退団選手の名前がマスタにない場合の表示 |
⑤文字列処理
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| CONCATENATE / & | 文字列を連結する | 「日付+対戦相手」で試合ラベルを自動生成 |
| TEXT | 数値を指定した表示形式の文字列に変換する | 打率を「.320」のような表記に変換 |
| LEFT / RIGHT / MID | 文字列を位置指定で切り出す | スコアブックメモから必要な部分だけ抽出 |
| SPLIT | 区切り文字で文字列を分割し複数セルに展開する | 「4-2」のようなメモを打数と安打に分割 |
| SUBSTITUTE / TRIM | 文字列の置換・余分な空白の除去 | 入力ゆれ(全角/半角、余分なスペース)の補正 |
⑥日付・時刻
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| TODAY / NOW | 実行時点の日時を返し再計算のたびに更新される | 試合日から経過日数を自動計算 |
| DATEDIF | 2つの日付の差を年・月・日単位で計算する | シーズン開始からの経過日数集計 |
| WEEKDAY | 日付から曜日番号を取得する | 曜日別の試合数・勝率集計 |
| 年度切り替えロジック | 日付関数を使った年度またぎの自動判定 | シーズン終了・開始の自動判定ロジック |
⑦配列・応用集計
| 関数 | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| SUMPRODUCT | 配列同士を掛け合わせてから合計する | 1.1・1.2表記の投球回を正しく合算 |
| ARRAYFORMULA | 1つの式を範囲全体に一括適用する | 全行の打率を1つの式で自動計算 |
| QUERY | SQL風の構文でデータを抽出・集計する | 条件に合う成績だけを別シートに抽出表示 |
| UNIQUE | 重複を除いたリストを生成する | シーズン出場選手一覧を自動生成 |
| SORT / FILTER | 並び替え・条件抽出を関数だけで行う | 打率ランキングの自動生成 |
| 配列関数のエラー対処 | #REF!やサイズ不一致エラーの典型パターン | ARRAYFORMULA使用時によくあるエラーの直し方 |
⑧総合実践
| テーマ | 仕組みの一言 | 成績管理表での使用例 |
|---|---|---|
| 打率計算の複合式 | IFERROR+SUM+COUNTを組み合わせた設計 | 安打÷打数、0除算対策込みの実式 |
| 防御率計算の複合式 | SUMPRODUCT+四則演算を組み合わせた設計 | 自責点×9÷投球回の実式 |
| 勝率計算の複合式 | IF+COUNTIFを組み合わせた設計 | 引分除外・0除算対策込みの実式 |
| 関数の組み合わせ方・選び方 | 「どの関数を選ぶか」の判断基準 | 複数の解決策があるケースでの比較検討 |
| 関数チートシート(本記事) | 全関数の総復習 | 全関数の早見表・成績管理表内の使用箇所インデックス |
「成績管理表での使用例」の列を見て、自分がやりたいことに近いものを探すのがコツです。目的から逆引きして、該当する関数名のリンクから詳しい解説記事に飛んでください。
早見表の使い方3ステップ
「合計したい」「条件で絞りたい」「表から探したい」など、やりたいことをまず短い言葉にします。
「①基礎集計」〜「⑧総合実践」のうち、やりたいことに近いグループを開き、「成績管理表での使用例」列を見比べます。
関数名のリンクから該当記事に飛べば、書式・実例・よくあるミスまで詳しく確認できます。
しくみを理解する:関数はどうつながっているか
50個の関数はバラバラに存在しているわけではなく、いくつかの「発展の流れ」でつながっています。この流れを意識すると、新しい関数に出会ったときも理解が早くなります。
- 集計の流れ:SUM(無条件の合計) → SUMIF(条件1つ) → SUMIFS(条件複数)。COUNT系・AVERAGE系もまったく同じ発展パターンをたどる
- 分岐の流れ:IF(2択) → IFS(多択) → ネスト(IFを重ねる)。条件が増えるほど、どの書き方が読みやすいかが変わる
- 検索の流れ:VLOOKUP(左端列限定) → INDEX+MATCH(制約を回避) → XLOOKUP(制約自体をなくした新関数)
よくあるミス:シリーズ全体で見えた傾向
SUM・SUMIF・COUNTIFSなど集計系の関数に共通する失敗が、シーズン途中で行を追加したのに範囲や条件式を更新し忘れるパターンです。範囲は思い切って広めに確保しておくのが安全です。
シーズン序盤で打数0のときの0除算エラーや、VLOOKUP・XLOOKUPで検索値が見つからないときの#N/Aエラーは、対策を入れ忘れて初めて気づくことが多いミスです。計算式を作る段階からセットで組み込んでおくと安心です。
- 50個の関数は基礎集計・条件付き集計・論理分岐・検索参照・文字列・日付・配列・総合実践の8グループに整理できる
- 関数名を忘れても、「やりたいこと」から表を逆引きすれば該当する関数にたどり着ける
- 関数は単独で覚えるより、SUM→SUMIF→SUMIFSのような発展の流れで捉えると理解が早い
- 集計系は範囲の更新忘れ、検索・分岐系はエラー対策の付け忘れが典型的な失敗パターン
50回を終えて
安打数の合計を求めるSUM関数から始まり、条件付き集計、論理分岐、検索・参照、文字列処理、日付、配列関数、そして複合式による打率・防御率・勝率の計算まで、成績管理表で使う関数をひととおり見てきました。この早見表をブックマークしておけば、必要なときにすぐ目的の関数に戻ってこられます。
最初の記事に戻って読み返したい方はこちらからどうぞ。
▶︎ 最初の記事:SUM関数の使い方としくみ
実際の成績管理表をどう組み立てていったかは、成績管理表の作り方を1つずつ追った実装ログでも紹介しています。関数の「仕組み」がわかったところで、あわせて読んでみてください。


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