第4章もいよいよ最終回。今回のテーマは「〇試合目」という項目を管理する理由です。
「1試合目・2試合目とわざわざ区別する意味があるの?」と感じた方もいるかもしれません。実はこの一項目があるかないかで、集計の正確さが大きく変わってきます。理由と設計への組み込み方を、順番に見ていきましょう。
〇試合目が必要な理由
草野球では、同じ日に2試合以上行うことがあります。いわゆるダブルヘッダーです。このとき試合日という情報だけでは、1試合目と2試合目のデータを区別できません。
例えば、こんな場面を想像してみてください。2026/5/11に2試合が行われ、田中選手が1試合目で「三安・遊ゴ」、2試合目で「中2・右本」という成績を残したとします。〇試合目で区別していないと、試合当日シートで「2026/5/11・田中」と指定した瞬間、1試合目と2試合目のデータが混ざってしまうのです。
| 試合日 | 〇試合目 | 選手名 | 第一打席 | 第二打席 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/5/11 | 1試合目 | 田中 | 三安 | 遊ゴ |
| 2026/5/11 | 2試合目 | 田中 | 中2 | 右本 |
「2026/5/11・1試合目・田中」という3つの条件で絞り込めば、1試合目だけのデータをきちんと取り出せます。
COUNTIFSへの組み込み方
〇試合目を集計条件に加えるだけで、ダブルヘッダーがあっても正確に集計できるようになります。
=COUNTIFS( 試合日列, $B$1, ← 条件①:試合日 〇試合目列, $C$1, ← 条件②:〇試合目 選手名列, B2, ← 条件③:選手名 打席列, "*安*" ← 条件④:安打を含む )
試合当日シートのB1に試合日、C1に「1試合目」や「2試合目」を入力するセルを用意しておきます。
試合当日シートの上部設計
この3条件での絞り込みに対応するため、試合当日シートの上部は次のように設計します。
| セル | 内容 | 入力方法 |
|---|---|---|
| A1 | 「試合日:」というラベル | 固定テキスト |
| B1 | 試合日(例:2026/5/11) | 手入力 |
| C1 | 「〇試合目:」というラベル | 固定テキスト |
| D1 | 〇試合目(例:1試合目) | 手入力 |
| 3行目以降 | 打順・選手名・守備位置・成績 | 手入力+自動計算 |
B1を「2026/5/11」、D1を「1試合目」にすれば、1試合目のスコアが画面に表示されます。D1だけを「2試合目」に切り替えれば、今度は2試合目のスコアに切り替わります。試合日とD1の両方を変更すれば、別の日・別の試合のスコアもすぐに確認できます。
1試合しかない日はどうするか
とはいえ、ほとんどの試合日は1試合だけで終わります。その場合は難しく考える必要はありません。〇試合目に「1試合目」を選んでフォームを送信してもらい、試合当日シートのD1も「1試合目」にしておくだけでOKです。
- 基本的には全員「1試合目」を選んで送信する
- 同じ日に2試合ある場合のみ2試合目・3試合目を使う
- 試合当日シートのD1も忘れずに合わせて変更する
年間シートでの〇試合目の扱い
一方、年間(野手)シートでシーズン通算成績を集計するときは、〇試合目を条件に加える必要はありません。「選手名が田中の全データ」をカウントするだけで、1試合目も2試合目も自動的に合算されるからです。
| シート | 集計条件 |
|---|---|
| 試合当日(野手) | 試合日+〇試合目+選手名の3条件 |
| 年間(野手) | 選手名のみの1条件(全試合を合算) |
第4章の振り返り
ここで一度、第4章(第27〜32回)の内容を整理しておきましょう。
- 第27回:フォームの回答が1行ずつ縦に積まれる仕組みを理解した
- 第28回:回答シートは閲覧OKだが編集NGのルールを学んだ
- 第29回:試合当日(野手)シートの列設計と役割を確認した
- 第30回:試合当日(投手)シートの列設計と投球回表示の仕組みを確認した
- 第31回:野手はCOUNTIFS・投手はVLOOKUPという関数の役割分担を理解した
- 第32回:〇試合目でダブルヘッダーを正確に区別できる設計を理解した
- 〇試合目はダブルヘッダーを正確に区別するために必要な項目
- 試合当日シートでは「試合日+〇試合目+選手名」の3条件で絞り込む
- 1試合しかない日は全員「1試合目」を選んで送信する
- 年間シートでは〇試合目を条件に加えず選手名のみで全試合を合算する
次回予告
これで第4章が完了です。次はいよいよ第5章「COUNTIFで記号を成績に変換する」がスタートします。次回のテーマは「そもそも関数って何?スプレッドシートの計算の仕組み」。関数に触れるのが初めてという方にも迷わず読み進めてもらえるよう、ゼロから丁寧に解説していきます。



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