第11回 最初に作るべきシート一覧と作成順序

フォーム・シート作成

設計思想が理解できたところで、いよいよ実際にシートを作り始めましょう。とはいえ、シートには「作るべき順番」があります。

依存関係――どのシートがどのシートのデータを参照しているか――を無視して作ってしまうと、関数がエラーになったり、あとから作り直す羽目になったりします。この記事でしっかり順番を確認してから、作業に入りましょう。

シートの依存関係とは

スプレッドシートの関数は、基本的に「他のシートのデータを参照する」ことで成り立っています。そのため、参照先のシートがまだ存在しないと、関数はエラーを返してしまいます。

📝 依存関係のイメージ

例えば、「年間(野手)」シートが「フォームの回答(野手)」シートのデータを参照して成績を計算する、という関係があったとします。この場合、「フォームの回答(野手)」が先に存在していなければ、「年間(野手)」の関数はエラーになってしまいます。

作成順序の全体像

作成順序を整理すると、次の4段階になります。

PHASE 1 マスタシートを作る

すべてのシートから参照される「リスト一覧」シートを、まず最初に作ります。選手名・守備位置・打席結果の選択肢をここに入力しておくことで、他のシートやフォームから呼び出せるようになります。

PHASE 2 フォームを作ってスプレッドシートと連携する

野手・投手・チーム成績、3つのフォームを作成し、スプレッドシートと連携させます。連携すると、「フォームの回答」シートが自動で作成されます。

PHASE 3 集計シートを作る

試合当日シート・年間シート・チームシートを作ります。入力層である「フォームの回答」シートがすでに存在している状態で作ることで、関数がエラーなく動くようになります。

PHASE 4 ランキングシートを作る

年間シートのデータが揃った状態で、ランキングシートを作ります。集計層が完成してから作ることで、ランキングの関数も正しく動くようになります。

シート作成チェックリスト

それでは、以下の順番でシートを作っていきましょう。チェックしながら進めてください。

PHASE 1:マスタシート(1枚)

シート名 作業内容
リスト一覧 選手名・守備位置・打席結果の選択肢を入力する

PHASE 2:フォーム連携(3枚)

シート名 作業内容
フォームの回答(野手) 野手フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成)
フォームの回答(投手) 投手フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成)
フォームの回答(チーム成績) チーム成績フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成)

PHASE 3:集計シート(5枚)

シート名 作業内容
試合当日(野手) 試合ごとの打撃成績を集計する列を設計・関数を入力
試合当日(投手) 試合ごとの投球成績を集計する列を設計・関数を入力
年間(野手) 年間打撃成績を選手ごとに集計する関数を入力
年間(投手) 年間投球成績を投手ごとに集計する関数を入力
チーム チーム全体の年間成績を集計する関数を入力

PHASE 4:ランキングシート(5枚)

シート名 作業内容
AVG 規定打席以上の選手を打率順に自動表示する関数を入力
RBI 打点ランキングを自動表示する関数を入力
HR 本塁打ランキングを自動表示する関数を入力
最多安打 安打数ランキングを自動表示する関数を入力
SB 盗塁ランキングを自動表示する関数を入力
⚠️ 順番を守ることが大切な理由

PHASE 3の集計シートを先に作ろうとすると、参照先の「フォームの回答」シートがまだ存在しないため、関数が#REF!エラーになってしまいます。PHASE 1 → 2 → 3 → 4、この順番を守って作業を進めましょう。

この連載での作業の進め方

この連載では第12回以降、PHASE 1のマスタシートから順番に作っていきます。

連載の回 作業内容
第12〜13回 PHASE 1:マスタシート(リスト一覧・設定一覧)を作る
第14〜26回 PHASE 2:フォーム3つを作成してスプレッドシートと連携する
第27〜66回 PHASE 3:集計シートを作る(関数の解説がメイン)
第67〜80回 PHASE 4:ランキングシート・チームシートを作る
✅ この記事のまとめ
  • シートには参照先・参照元の依存関係がある
  • 作成順序はPHASE 1(マスタ)→ 2(フォーム)→ 3(集計)→ 4(ランキング)
  • 順番を守らないと関数が#REF!エラーになる
  • チェックリストを使いながら、1枚ずつ確実に作っていこう

次回予告

次回は、いよいよ実際に手を動かします。テーマは「選手マスタの設計:背番号と選手名の管理方法」。すべてのシートの土台となる、リスト一覧シートから作り始めましょう。

▶︎ 次回:【第12回】選手マスタの設計:背番号と選手名の管理方法

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