設計思想が理解できたところで、いよいよ実際にシートを作り始めます。ただし、シートには作るべき順番があります。
依存関係(どのシートがどのシートのデータを参照しているか)を無視して作ると、関数がエラーになったり、後から修正が大変になったりします。この記事でしっかり順番を確認してから作業に入りましょう。
シートの依存関係とは
スプレッドシートの関数は「他のシートのデータを参照する」ことで成り立っています。参照先のシートが存在しないと関数がエラーになります。
「年間(野手)」シートは「フォームの回答(野手)」シートのデータを参照して成績を計算します。つまり「フォームの回答(野手)」が先に存在していないと、「年間(野手)」の関数はエラーになります。
作成順序の全体像
作成順序を整理するとこうなります。
すべてのシートから参照される「リスト一覧」シートを最初に作ります。選手名・守備位置・打席結果の選択肢をここに入力しておくことで、他のシートやフォームから参照できるようになります。
野手・投手・チーム成績の3つのフォームを作成し、スプレッドシートと連携させます。連携すると「フォームの回答」シートが自動作成されます。
試合当日シート・年間シート・チームシートを作ります。入力層(フォームの回答シート)が存在している状態で作ることで、関数がエラーなく動きます。
年間シートのデータが揃った状態でランキングシートを作ります。集計層が完成してから作ることで、ランキングの関数が正しく動きます。
シート作成チェックリスト
以下の順番でシートを作っていきましょう。チェックしながら進めてください。
PHASE 1:マスタシート(1枚)
| ✓ | シート名 | 作業内容 |
|---|---|---|
| □ | リスト一覧 | 選手名・守備位置・打席結果の選択肢を入力する |
PHASE 2:フォーム連携(3枚)
| ✓ | シート名 | 作業内容 |
|---|---|---|
| □ | フォームの回答(野手) | 野手フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成) |
| □ | フォームの回答(投手) | 投手フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成) |
| □ | フォームの回答(チーム成績) | チーム成績フォームを作成してスプレッドシートと連携(自動作成) |
PHASE 3:集計シート(5枚)
| ✓ | シート名 | 作業内容 |
|---|---|---|
| □ | 試合当日(野手) | 試合ごとの打撃成績を集計する列を設計・関数を入力 |
| □ | 試合当日(投手) | 試合ごとの投球成績を集計する列を設計・関数を入力 |
| □ | 年間(野手) | 年間打撃成績を選手ごとに集計する関数を入力 |
| □ | 年間(投手) | 年間投球成績を投手ごとに集計する関数を入力 |
| □ | チーム | チーム全体の年間成績を集計する関数を入力 |
PHASE 4:ランキングシート(5枚)
| ✓ | シート名 | 作業内容 |
|---|---|---|
| □ | AVG | 規定打席以上の選手を打率順に自動表示する関数を入力 |
| □ | RBI | 打点ランキングを自動表示する関数を入力 |
| □ | HR | 本塁打ランキングを自動表示する関数を入力 |
| □ | 最多安打 | 安打数ランキングを自動表示する関数を入力 |
| □ | SB | 盗塁ランキングを自動表示する関数を入力 |
PHASE 3の集計シートを先に作ろうとすると、参照先の「フォームの回答」シートがまだ存在しないため関数が#REF!エラーになります。PHASE 1 → 2 → 3 → 4の順番を守って作業を進めましょう。
この連載での作業の進め方
この連載では第12回以降、PHASE 1のマスタシートから順番に作っていきます。
| 連載の回 | 作業内容 |
|---|---|
| 第12〜13回 | PHASE 1:マスタシート(リスト一覧・設定一覧)を作る |
| 第14〜26回 | PHASE 2:フォーム3つを作成してスプレッドシートと連携する |
| 第27〜66回 | PHASE 3:集計シートを作る(関数の解説がメイン) |
| 第67〜80回 | PHASE 4:ランキングシート・チームシートを作る |
- シートには参照先・参照元の依存関係がある
- 作成順序はPHASE 1(マスタ)→ 2(フォーム)→ 3(集計)→ 4(ランキング)
- 順番を守らないと関数が
#REF!エラーになる - チェックリストを使いながら1枚ずつ確実に作っていこう
次回予告
次回はいよいよ実際に手を動かします。「選手マスタの設計:背番号と選手名の管理方法」。すべてのシートの土台となるリスト一覧シートから作り始めましょう。


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