第82回 試合当日(投手)シートの見た目を整える

関数・自動化

前回は試合当日(野手)シートの書式を整えました。今回は同じ手順で試合当日(投手)シートを仕上げます。列数が野手シートの19列より少ない15列なので、作業自体はよりシンプルです。ただし投手シートには「投球回の1.1・1.2表記」「完投・完封のフラグ列(0か1の数値)」という、野手シートにはなかった表示上の工夫が必要です。そこを中心に解説します。

試合当日(投手)シートの列構成を確認する

まずこのシートに何が入っているかを確認します。全部で15列です。

項目名 内容・備考
A 試合日 フォームから自動参照
B 〇試合目? 同日複数試合の区別
C 選手名 投手名
D 0か1(勝利投手なら1)
E 0か1(敗戦投手なら1)
F セーブ 0か1(セーブなら1)
G 完投 0か1(完投なら1)
H 完封 0か1(完封なら1)
I 投球回 1.1・1.2表記の小数値
J 失点
K 自責点
L 被安打
M 被本塁打
N 奪三振
O 与四死球

野手シートと比べて15列とコンパクトですが、D〜H列(勝・負・セーブ・完投・完封)の「0か1」の数値と、I列の「投球回の小数表記」という、見た目の工夫が必要なポイントが2か所あります。

基本の書式設定(野手シートと共通)

まず前回と同じ手順で基本の書式を整えます。野手シートで一度やった操作なので、慣れてきているはずです。

STEP 1
ヘッダー行(1行目)に背景色・太字・中央揃えを設定する

行番号「1」をクリックして1行目全体を選択し、背景色(例:薄いオレンジ #FCE4D6 など野手シートと区別しやすい色)をつけます。続けて太字・中央揃えも設定します。野手シートと色を変えておくと、シート間を行き来するときに見間違えにくくなります。

STEP 2
全体に罫線を引く

A1〜O列のデータがある行まで選択して「すべての罫線」を適用します。

STEP 3
列幅を自動調整する

全列を選択して列境界をダブルクリックし、内容に合わせて幅を自動調整します。

STEP 4
ウィンドウ枠を固定する

「表示」→「固定」→「1行」と「列C まで」を設定します。右にスクロールしても試合日・試合番号・選手名が常に表示されます。

STEP 5
数値列(D〜O列)を右揃えにする

D列〜O列をまとめて選択して「右揃え」を適用します。

ここまでは前回の野手シートと同じ手順です。次からが投手シートならではのポイントです。

投手シートならではの工夫①:完投・完封フラグ列の見せ方

D〜H列(勝・負・セーブ・完投・完封)には「0」か「1」が入っています。これはフラグ管理と呼ばれる記録方法です(第64回参照)。「1 = 該当する」「0 = 該当しない」という意味です。

たとえば2/1のSUZUKIさんの行を見ると、完投=1・完封=1・勝=1となっています。完封勝利を記録した試合です。

⚠️ 「0」が並ぶ列は視認性が下がりやすい

完投・完封が記録される試合は多くありません。つまりG・H列には「0」が並びがちで、「1」が埋もれて見えにくくなることがあります。

対策として2つの方法があります。①条件付き書式で「1」のセルだけ色をつける、②列幅を思い切り小さくして「0が並ぶ列」として割り切る——どちらでも構いません。

おすすめは①の条件付き書式です。「1」が入ったセルだけに色がつくので、完封・完投の試合が一目でわかります。手順はこうです。

STEP 1
D〜H列のデータ範囲を選択する

D2〜H列のデータが入っている最終行まで選択します(D2:H100 のように余裕を持って選んでもOKです)。

STEP 2
「表示形式」→「条件付き書式」を開く

メニューバーから「表示形式」→「条件付き書式」の順に進むと、右側にパネルが開きます。

STEP 3
条件を「次の値と等しい → 1」に設定する

「セルの書式設定の条件」を「次の値と等しい」にし、値に「1」と入力します。書式スタイルで背景色を黄色(#FFEB3B)など目立つ色に設定して「完了」をクリックします。

📝 条件付き書式の設定例:色のアイデア
おすすめの色 理由
D列(勝) 薄い青(#BBDEFB) 勝利→青のイメージ
E列(負) 薄い赤(#FFCDD2) 敗戦→赤のイメージ
G列(完投)・H列(完封) 黄色(#FFF9C4) 特別な記録として目立たせる

色はあくまで例です。チームの好みで自由に変えてください。ただし色を使いすぎると逆に見づらくなるので、「勝・完封・完投」の3種類程度に絞るのがおすすめです。

投手シートならではの工夫②:投球回列(I列)の表示

I列(投球回)には「1.1」「4.0」「0.2」といった小数値が入っています。これは第58〜59回で解説した「1回と1/3を1.1と表記する」野球独自のルールに従った数値です。

この列については、表示形式をそのまま小数2桁にしてしまうと問題が起きます。

⚠️ 投球回列に「小数2桁」表示を設定してはいけない理由

たとえば「7.0」を小数2桁表示にすると「7.00」と表示されます。これはよいのですが、「1.1」を小数2桁表示にすると「1.10」と表示されます。

「1.10」は見た人に「1イニングと10/100」と誤解される可能性があります。本来の意味は「1イニングと1/3(=1アウト)」なので、表示形式を変えると意味が変わって見えてしまうのです。I列(投球回)は表示形式を変えずにそのままにしておくのが正解です。

一方で、列幅の調整と右揃えは問題ありません。I列も他の数値列と同様に右揃えにしておきましょう。

実際のデータで完成形を確認する

書式設定が完了した状態で、今シーズンの2026年1月25日の試合(3投手が登板した試合)を表示するとこうなります。

試合日 試合目 選手名 S 完投 完封 投球回 失点 自責 被安 被本 奪三 与四死
1/25 1 SUZUKI 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 4
1/25 1 NAKATA 0 1 0 0 0 1.1 4 4 1 0 3 4
1/25 1 YAMAMOTO 0 0 0 0 0 0.2 1 0 0 0 0 0
2/1 1 SUZUKI 1 0 0 1 1 7 0 0 2 0 2 0

条件付き書式が効いていると、NAKATAさんの「負=1」が薄い赤、SUZUKIさんの「勝=1・完投=1・完封=1」が色付きで一目でわかります。0が並ぶ行の中で1だけがハイライトされるので、その試合の記録を素早く読み取れます。

野手シートと投手シートで色を使い分けるメリット

📝 シートごとにヘッダーの色を変えるとタブ間の見間違いが減る
シート ヘッダー色(例)
試合当日(野手) 薄いブルー(#CFE2F3)
試合当日(投手) 薄いオレンジ(#FCE4D6)
年間(野手) 薄い緑(#D9EAD3)
年間(投手) 薄い黄色(#FFF2CC)

複数のシートを毎週切り替えながら使うと、「今どのシートを開いているか」が瞬時にわかります。チームで共有して複数人が使う場合は特に効果的です。

✅ この記事のまとめ
  • 試合当日(投手)シートは全15列——野手シートより少なくシンプル
  • 基本の書式設定(背景色・太字・罫線・列幅・ウィンドウ枠固定・右揃え)は野手シートと同じ手順でOK
  • 完投・完封・勝・負の「フラグ列」には条件付き書式で「1のセルだけ色をつける」と、特別な記録が一目でわかる
  • 投球回列(I列)は表示形式を変えない——「1.1」を小数2桁に変えると「1.10」になり意味が誤解される
  • 野手シートと投手シートでヘッダーの色を変えると、シート間の見間違いが減って使いやすくなる
  • これで第10章「試合結果ページ用シートを整える」の書式設定が完了——次回はシートをホームページに埋め込む方法を解説する

次回予告

次回は「試合当日シートをホームページに埋め込む方法」。Googleスプレッドシートには、シートを公開してウェブページに埋め込む機能があります。埋め込み用URLの取得から、WordPressへの貼り付け方、表示範囲の指定まで、実際の手順を解説します。

▶︎ 次回:【第83回】試合当日シートをホームページに埋め込む方法

コメント

タイトルとURLをコピーしました