第80回 チーム成績をグラフで年度比較する

関数・自動化

前回でチームシートの全列が完成しました。チームシートには2026年から始まり、年度ごとに試合数・勝敗・勝率・打率・防御率などがひと目で並んでいます。今回はここに折れ線グラフを追加して、チームの強さがシーズンをまたいでどう変化しているかを視覚的に確認できるようにします。

グラフと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、Googleスプレッドシートのグラフ機能はほぼ自動でやってくれます。やることは「どの列を使うか選ぶ」だけです。一緒に作っていきましょう。

なぜグラフにするのか

数値の表を眺めるだけでも成績は確認できますが、グラフには数字だけでは気づきにくいことを教えてくれるという強みがあります。

📝 グラフで気づけること
数字だけではわかりにくいこと グラフにするとわかること
打率が年々上がっているかどうか 線が右肩上がりかどうか一目でわかる
防御率が悪化した年が何年かあること 特定の年だけ線が跳ね上がっているのがすぐ見える
打率は高いのに勝率が低い年がある 2本の線が反対の動きをしているのが視覚的に伝わる

「なんとなく強くなってきた気がする」という感覚を、グラフが裏付けてくれます。逆に「投手力は上がっているのに打撃が落ちている」という課題発見にも使えます。

どのデータでグラフを作るか

チームシートには12列のデータがありますが、グラフに向いているのは年度をまたいで比較しやすい指標です。今回は次の3つの折れ線グラフを作ります。

✅ 今回作るグラフ
グラフ 使う列 見えること
① 打率・防御率の推移 A列(年度)・I列(打率)・L列(防御率) 攻撃力と投手力のバランス変化
② 勝率の推移 A列(年度)・F列(勝率) チームの強さが年々上がっているか
③ 得点・失点の推移 A列(年度)・G列(得点)・H列(失点) 攻守それぞれの力が年単位でどう動いているか

3つとも作り方の手順はまったく同じです。最初の1つを丁寧に作れば、あとは範囲を変えてコピーするだけです。

グラフ①:打率・防御率の推移(折れ線グラフ)

まず最初のグラフを一緒に作ります。「打率」と「防御率」を同じグラフに重ねて、チームの攻守バランスの変化を見るグラフです。

⚠️ 操作前の確認:チームシートを開いておく

グラフはチームシート上で作ります。チームシートのタブをクリックして開いた状態で始めてください。

STEP 1
A列・I列・L列を選択する

A1セルをクリックし、Ctrlキー(Macの場合はCommandキー)を押しながらI列の見出しとL列の見出しをクリックして、3列を同時に選択します。データ行(2行目以降)まで含めて選択してください。

STEP 2
「挿入」→「グラフ」をクリック

メニューバーの「挿入」→「グラフ」の順に進みます。自動でグラフが挿入され、右側にグラフエディタが開きます。

STEP 3
グラフの種類を「折れ線グラフ」に変更する

グラフエディタの「グラフの種類」をクリックし、一覧から「折れ線グラフ」を選択します。自動で棒グラフになっている場合は折れ線に変えてください。

STEP 4
横軸が「年度」になっていることを確認する

グラフエディタの「データ範囲」の下にある「X軸」が「年度(A列)」になっていれば正しい状態です。なっていない場合は「X軸」の欄をクリックして年度列を指定してください。

STEP 5
グラフのタイトルを入力する

グラフエディタの「カスタマイズ」タブ→「グラフと軸のタイトル」→「グラフのタイトル」に「チーム打率・防御率の推移」と入力します。

これで打率(I列)と防御率(L列)が2本の折れ線として年度別に表示されるグラフが完成です。

📝 打率と防御率を同じグラフに入れてもいいのか

打率は「0.313」、防御率は「2.96」と単位がまったく違うので、同じグラフに入れると縦軸のスケールが合わなくなるのでは?と思った方もいるかもしれません。

グラフの「カスタマイズ」→「系列」から特定の系列を選択し、「右側の軸」に設定すると、左右で別々の縦軸(第二軸)を使うことができます。打率を左軸(0〜0.4)、防御率を右軸(0〜6.00)といった具合に使い分けると、2つの指標の変化を同じグラフで正確に比べられます。最初は気にしなくてよいですが、数年後に数字が蓄積してきたときに試してみてください。

グラフ②:勝率の推移

次は勝率だけをシンプルに1本の折れ線で表示するグラフです。「チームが強くなっているか」を一番わかりやすく示す指標なので、単独で表示するのが見やすいです。

STEP 1
A列・F列を選択する

A1セルをクリックし、Ctrlキーを押しながらF列を選択します。

STEP 2
「挿入」→「グラフ」→折れ線グラフに設定

グラフ①と同じ手順でグラフを挿入し、折れ線グラフに変更します。タイトルは「チーム勝率の推移」とします。

STEP 3
縦軸の最小値を 0 に設定する(任意)

「カスタマイズ」→「縦軸」→「最小値」を「0」、「最大値」を「1」に設定すると、0〜1の範囲で固定されて見やすくなります。勝率は必ず0〜1の範囲に収まる値なので、この設定がおすすめです。

グラフ③:得点・失点の推移

最後は得点と失点の変化を重ねて見るグラフです。「攻撃力が上がっているか」「失点が減っているか」を一目で確認できます。

STEP 1
A列・G列・H列を選択する

A・G・H列をCtrlキーで複数選択します。

STEP 2
「挿入」→「グラフ」→折れ線グラフに設定

同様にグラフを挿入し、折れ線グラフに変更します。タイトルは「チーム得点・失点の推移」とします。

STEP 3
得点の線を青、失点の線を赤にする(任意)

「カスタマイズ」→「系列」でそれぞれの線を選択して色を変更すると、「青が得点、赤が失点」とひと目で区別できます。得点の線が失点の線を上回っている年が多いほど、チームの勝率も高くなる傾向があります。

グラフをシート上に整理して配置する

3つのグラフが完成したら、チームシート上で表の下に並べて配置すると管理しやすくなります。グラフはドラッグ&ドロップで自由に移動できます。

📝 グラフ配置のコツ
  • 表のすぐ下(10行目あたり)にグラフを並べると、数字とグラフが一緒に見渡せる
  • グラフの右下角をドラッグするとサイズを変更できる。横幅を表の幅に合わせるとスッキリする
  • グラフをクリックして選択し、Delete キーで削除できる(やり直しが簡単)

データが1年分しかないときのグラフの見え方

「2026年のデータしかないので、折れ線グラフにしても点が1つしか打てない」と思った方もいるかもしれません。その通りです。

今は点が1つでまったく問題ありません。グラフを先に作っておくことが大事です。2027年のデータをチームシートに入力すると、グラフは自動で2点を結ぶ折れ線になります。3年目・4年目とデータが増えるたびに自動でグラフが更新されます。「仕組みを先に作っておく」というのがこの連載全体の考え方でもあります。

⚠️ データ範囲は「余裕を持って」指定しておく

グラフを作るとき、データ範囲を「A1:A2・F1:F2」のように今ある行数ぴったりに指定してしまうと、翌年データを追加したときにグラフが自動更新されません。

チームシートには年度が2026〜2030年分(2〜6行目)まで設定されているので、A1:A6・F1:F6 のように最初から5年分の範囲を指定しておくのがおすすめです。空白行が含まれていても、Googleスプレッドシートのグラフは空白を自動でスキップしてくれます。

2026年単年の数値を改めて確認する

グラフのベースとなる、現時点(2026年)のチーム成績をまとめて振り返ります。

指標 2026年 グラフでの見え方
試合数 10 参考値(グラフには入れない)
勝率 .750 グラフ②の最初の点
得点 60 グラフ③の得点線の最初の点
失点 23 グラフ③の失点線の最初の点
チーム打率 .313 グラフ①の打率線の最初の点
チーム防御率 2.96 グラフ①の防御率線の最初の点

打率.313・防御率2.96・勝率.750——どれも草野球チームとしてはかなり好成績です。得点60に対して失点23は得失点差+37。来年以降のデータが増えてきたとき、この数値が基準になります。

✅ この記事のまとめ
  • グラフを作るには「使う列を選択 → 挿入 → グラフ → 折れ線グラフに変更」の4ステップだけ
  • 今回作る3本のグラフ:①打率・防御率の推移、②勝率の推移、③得点・失点の推移
  • データが1年分しかなくても先にグラフを作っておく——翌年データを入力するとグラフが自動更新される
  • データ範囲は今後の年度行も含めて余裕を持って指定しておくと、毎年グラフを作り直す手間がなくなる
  • 打率と防御率のように単位が異なる指標を1つのグラフに入れる場合は、「第二軸(右側の軸)」を使うと正確に比較できる
  • これで第9章「チーム成績シートを作る」が完結。次章(第10章)では試合結果ページ用シートの見た目を整えていく

次回予告

次回から第10章に入ります。テーマは「試合当日(野手)シートの見た目を整える」。成績の計算はすべて自動化されていますが、それをホームページや仲間に見せるときの見た目の整え方を学びます。罫線・背景色・フォントの設定で、生のシートがぐっと見やすくなります。

▶︎ 次回:【第81回】試合当日(野手)シートの見た目を整える

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