前回は打率・OPS・出塁率などの表示形式を整える書式設定を学びました。今回は年間(野手)シートの全列構成を整理して、シートを完成形に仕上げます。
第33回からここまで、COUNTIFSによる絞り込み・打率の計算・OPS・規定打席の除外ロジックと、個別の関数を一つひとつ積み上げてきました。今回はそれらを「どの列に・どの順番で並べるか」を確認しながら、シート全体を俯瞰します。「あの関数、どこに入れるんだっけ?」という疑問をここで一気に解消しましょう。
年間(野手)シートの完成列構成
実際の成績管理表を参照すると、年間(野手)シートの列は次のように並んでいます。
| 列 | 項目名 | 内容・計算方法 | 解説した回 |
|---|---|---|---|
| A | #(背番号) | 選手マスタから転記(手入力または参照) | 第12回 |
| B | 選手名 | 選手マスタから転記(COUNTIFSの絞り込みキー) | 第12回 |
| C | 試合数 | 出場した試合数をCOUNTIFSで自動カウント | 第44回 |
| D | 打率 | IF+AND+IFERRORで規定打席チェック付き計算 | 第47・53回 |
| E | 打席 | 「打なし」以外をCOUNTIFSでカウント | 第38・39回 |
| F | 打数 | 打席数−四球−死球−犠打−犠飛−敵失 | 第38・39回 |
| G | 安打 | 単打+二塁打+三塁打+本塁打 | 第36回 |
| H | 本塁打 | 「*本*」をCOUNTIFSでカウント | 第37回 |
| I | 打点 | SUMIFSで試合ごとの打点を選手別に合算 | 第46回 |
| J | 盗塁 | SUMIFSで試合ごとの盗塁を選手別に合算 | 第43回 |
| K | 出塁率 | (安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛) | 第48回 |
| L | 長打率 | 塁打数÷打数 | 第49回 |
| M | OPS | 出塁率+長打率(K列+L列) | 第50回 |
| N | 二塁打 | 「*2*」をCOUNTIFSでカウント | 第37回 |
| O | 三塁打 | 「*3*」をCOUNTIFSでカウント | 第37回 |
| P | 塁打数 | 単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4 | 第45回 |
| Q | 三振 | 空三振・見三振をまとめてCOUNTIFS | 第41回 |
| R | 四死球 | 四球+死球をそれぞれCOUNTIFSして合算 | 第41回 |
| S | 犠打 | 「犠打」をCOUNTIFSでカウント | 第42回 |
| T | 犠飛 | 「犠飛」をCOUNTIFSでカウント | 第42回 |
| U | 敵失 | 「敵失」「野選」をCOUNTIFSでカウント | 第42回 |
全部で21列です。A〜B列が選手の基本情報、C〜M列が主要成績(ランキングに使う指標)、N〜U列が内訳・補助データというグループ分けになっています。
列の並び順に込めた設計思想
列の順番はランダムではありません。「よく見る項目を左に」「計算の元になる内訳を右に」という原則で設計されています。
選手名・試合数・打率・打席・打数・安打・本塁打・打点・盗塁・出塁率・長打率・OPS。成績表として日常的に見たい数字が集まっています。画面をスクロールしなくても確認できる範囲に収めるのがポイントです。
二塁打・三塁打・塁打数・三振・四死球・犠打・犠飛・敵失。これらは打率や出塁率・長打率を計算するために必要な中間データです。直接ランキングには使わないものの、計算式がここを参照しているため削除できません。普段は列を非表示にしておいてもよいでしょう。
打率の計算にはG列(安打)・F列(打数)を参照しています。本来「計算の元になる列(打席・打数・安打)」より右に打率を置くほうが参照の流れとしては自然ですが、成績表としての見やすさを優先して打率をD列(左寄り)に配置しています。「見やすさ」と「計算の流れ」のどちらを優先するかはチームのルールで決めてもOKです。
2行目の関数を全選手にコピーする手順
すべての関数が2行目(最初の選手)に入ったら、あとは全選手分の行にコピーするだけです。
C2セルをクリックしてからU2セルまでShiftを押しながらクリックすると、C2〜U2の範囲がまとめて選択できます。
選択した範囲をコピーします。Macの場合はcommand+Cです。
C3セルをクリックし、最終選手行のU列まで範囲選択します。選手が20名なら C3〜U21 の範囲です。
貼り付けると、選手名(B列)の相対参照が自動でずれて各行の選手に対応した集計式に切り替わります。試合が積まれるたびに全選手の数字が自動更新されるシートの完成です。
コピーして貼り付けたあと、意図しないセルがずれていないか必ず確認してください。特に次の参照先は絶対参照($マーク付き)になっているかチェックします。
- フォームの回答(野手)シートの列全体:
'フォームの回答(野手)'!E:Eなど(列全体指定なのでずれない) - 規定打席セル:
$P$1など(絶対参照で固定必須) - 設定シートの係数:
設定一覧!$E$2など(絶対参照で固定必須)
完成後の年間(野手)シートの見た目
実際の成績管理表から主要な列を抜粋するとこのようになります。
| 選手名 | 試合 | 打率 | 打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| SUZUKI | 9 | .636 | 30 | 22 | 14 | 0 | 6 | 2 | .733 | .909 | 1.642 |
| TANAKA | 8 | .368 | 24 | 19 | 7 | 0 | 3 | 7 | .478 | .421 | 0.899 |
| YOSHIDA | 9 | .357 | 28 | 28 | 10 | 0 | 4 | 7 | .357 | .464 | 0.821 |
| YAMAMOTO | 9 | .318 | 27 | 22 | 7 | 0 | 4 | 0 | .444 | .318 | 0.763 |
| NAKATA | 5 | (規定未達) | 13 | 11 | 3 | 0 | 0 | 0 | (規定未達) | (規定未達) | (規定未達) |
規定打席(18)未達のNAKATAさんは打率・出塁率・長打率・OPSの列が空白になっています。打席・打数・安打などの生データはそのまま表示されるので、実績の記録としては残ります。
内訳列(N〜U列)を非表示にする方法
普段の確認では二塁打・三塁打・塁打数・四死球などの内訳列は邪魔に感じることもあります。削除はNGですが(関数が参照しているため)、非表示にすることで見た目をすっきりさせることができます。
- 非表示にしたい列のヘッダー(「N」「O」…など)をクリックして選択する
- 複数列を選ぶ場合はShiftまたはCtrlを押しながら追加選択する
- 選択した列ヘッダーを右クリック→「列を非表示」をクリック
再表示したいときは非表示列の両側の列ヘッダー間にある矢印アイコンをクリックします。削除とは違い、関数の参照は維持されたままです。
- 年間(野手)シートは全21列(A〜U列)で構成される
- A〜M列が主要成績(よく参照する指標)、N〜U列が計算の元になる内訳データ
- 2行目の関数が完成したら全選手分の行にコピーするだけで全員分が揃う
- コピー前に規定打席セル・設定シートの参照が絶対参照になっているか確認する
- 内訳列(N〜U列)は削除せず非表示にするとすっきり見える
次回予告
次回は「条件付き書式で高打率を色分け表示する」。打率の高い選手のセルを自動で色分けして、成績表を視覚的にわかりやすくする設定方法を解説します。
▶︎ 次回:【第56回】条件付き書式で高打率を色分け表示する



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