前回は選手ごとの試合数をカウントする方法を学びました。今回のテーマは塁打数を自動計算する関数です。
塁打数とは、安打の「種類ごとに重みをつけて合計した」数字のこと。長打率(第49回)を求めるために欠かせない値です。単打・二塁打・三塁打・本塁打をすでに別々の列でカウントできていれば、あとは掛け算と足し算だけで完成してしまいます。
塁打数とは何か
塁打数とは、「その打席で何塁分進んだか」を表す合計値です。安打の種類によって進む塁の数が違うため、それぞれに重みをつけて計算します。
| 安打の種類 | 重み(塁数) | 例:1本打ったとき |
|---|---|---|
| 単打(ヒット) | ×1 | 塁打数 +1 |
| 二塁打 | ×2 | 塁打数 +2 |
| 三塁打 | ×3 | 塁打数 +3 |
| 本塁打 | ×4 | 塁打数 +4 |
出塁はできても「安打」ではないため、塁打数にはカウントしません。塁打数はあくまで、安打の種類ごとに重みをつけた合計だと覚えておきましょう。
塁打数の計算式
言葉で表すと、塁打数の計算式は次のようになります。
塁打数 = 単打数×1 + 二塁打数×2 + 三塁打数×3 + 本塁打数×4
第36・37回で、単打・二塁打・三塁打・本塁打はすでにそれぞれ別の列にカウント済みです。あとはその列同士で掛け算と足し算をするだけで、塁打数が求まります。
前提:単打・二塁打・三塁打・本塁打が別列にある状態
まずは、年間(野手)シートに次のような列が揃っている状態からスタートします。
| 列 | 項目 | COUNTIFSの条件(参考) |
|---|---|---|
| (単打列) | 単打数 | "*安*"(第36回) |
| (二塁打列) | 二塁打数 | "*2*"(第37回) |
| (三塁打列) | 三塁打数 | "*3*"(第37回) |
| (本塁打列) | 本塁打数 | "*本*"(第37回) |
| (塁打数列) | 塁打数 | 上記4列を重みづけして合計 |
ここでは仮に、単打数がN列・二塁打数がO列・三塁打数がP列・本塁打数がQ列にあるとして説明を進めます。実際の列は、ご自身のシートに合わせて読み替えてください。
塁打数の関数(最終形)
=N2*1+O2*2+P2*3+Q2*4
N2:単打数(×1なので実質そのまま)O2:二塁打数(×2)P2:三塁打数(×3)Q2:本塁打数(×4)
各列にはCOUNTIFSで集計した値がすでに入っているので、あとはこの1行の掛け算・足し算を書くだけで完成します。
単打はN2*1と書いてもN2だけでも、計算結果は変わりません。それでも「重みをつけている」という意図を明示するためにあえて*1と書いておくと、あとで式を見返したときに意味がすぐわかります。どちらの書き方でも構いません。
例で計算を確かめてみよう
例えば、こんな管理表があったとします。塁打数の計算が正しいか、実際に数字を当てはめて確認してみましょう。
Aさんの例
| 種類 | 本数 | 重み | 塁打数への加算 |
|---|---|---|---|
| 単打 | 9 | ×1 | 9 |
| 二塁打 | 4 | ×2 | 8 |
| 三塁打 | 1 | ×3 | 3 |
| 本塁打 | 0 | ×4 | 0 |
| 合計(塁打数) | 14安打 | ― | 20 |
9×1+4×2+1×3+0×4=20塁打。関数で計算した結果と、この手計算がきちんと一致します。
Bさんの例(本塁打あり)
| 種類 | 本数 | 重み | 塁打数への加算 |
|---|---|---|---|
| 単打 | 3 | ×1 | 3 |
| 二塁打 | 1 | ×2 | 2 |
| 三塁打 | 0 | ×3 | 0 |
| 本塁打 | 1 | ×4 | 4 |
| 合計(塁打数) | 5安打 | ― | 9 |
3×1+1×2+0×3+1×4=9塁打。本塁打がたった1本入るだけで、塁打数が4も一気に跳ね上がることがわかります。
塁打数と安打数の関係を整理する
安打数と塁打数は、どちらも「ヒットを数える」指標である点は同じですが、意味しているものは違います。
| 指標 | 何を測るか | 計算式 |
|---|---|---|
| 安打数 | ヒットの本数(種類問わず) | 単打+二塁打+三塁打+本塁打 |
| 塁打数 | ヒットの「質」(長打ほど高評価) | 単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4 |
例えば、同じ安打数10本の選手が2人いたとしても、全部単打の選手なら塁打数は10、全部二塁打の選手なら塁打数は20になります。塁打数が多いほど、長打力のある選手だと判断できるわけです。この塁打数を打数で割ったものが、次に登場する長打率(第49回)です。
単打数は「安打数 − 二塁打数 − 三塁打数 − 本塁打数」という引き算で求める方法もあります。第36回で"*安*"のワイルドカードを使って集計した場合は、二塁打・三塁打・本塁打が誤って混入していないか、一度確認しておきましょう。フォームの記号設計(「三安」「左安」など)によって、正しくカウントできるかどうかが左右されるためです。
- 塁打数は 単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4 で計算する
- 各種別がすでに別列にカウントされていれば、掛け算と足し算の1行で完成
- 四球・死球・犠打・犠飛は塁打数に含まない
- 安打数は「ヒットの本数」、塁打数は「ヒットの質(長打力)」を測る指標
- 塁打数は次回以降の長打率の計算(第49回)に使う
次回予告
次回のテーマは「打点・本塁打・盗塁を年間集計シートに集める」。SUMIFSを使って試合ごとのデータを選手別に合算する方法を、打点・本塁打・盗塁までまとめてご紹介します。



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