前回は、COUNTIFSを使って選手ごとに成績を絞り込む集計ロジックの全体像をまとめました。今回はいよいよ三振・四球・死球をそれぞれカウントする関数を作っていきましょう。
四球と死球は第39回の打数計算ですでに登場していますが、今回は三振もあわせて整理します。特に「空三振と見三振をまとめてカウントする」場面でワイルドカードが活躍しますので、ぜひ最後まで確認してみてください。
三振・四球・死球を管理する理由
打率や出塁率の計算に直接必要なのは四球と死球ですが、三振数も別途カウントしておくことで、成績管理の幅がぐっと広がります。
| 項目 | 使い道 | 打率への影響 |
|---|---|---|
| 三振数 | 選手の傾向分析・弱点把握 | 打数に含まれる(打率を下げる) |
| 四球数 | 出塁率の計算・選球眼の評価 | 打数に含まれない(打率に影響しない) |
| 死球数 | 出塁率の計算 | 打数に含まれない(打率に影響しない) |
三振はアウトの一種なので、打数にはしっかりカウントされます。四球・死球のように打数から除外されることはないため、三振が多いとその分打率は下がります。これは野球のルールに沿った、ごく自然な計算結果です。
フォームの記号を確認する
まずは、成績管理表のフォームで使っている記号をおさらいしましょう。とくに三振の表記に注目してください。
| 打席結果 | フォームの記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 空振り三振 | 空三振 | スイングして三振 |
| 見逃し三振 | 見三振 | バットを振らずに三振 |
| 四球 | 四球 | ボール4つで出塁 |
| 死球 | 死球 | ボールが当たって出塁 |
三振が「空三振」と「見三振」の2種類に分かれているのがポイントです。この2つをまとめてカウントするとき、ワイルドカードが役立ちます。
空三振・見三振をまとめてカウントする
「空三振」と「見三振」は、別々にカウントする方法と、まとめてカウントする方法の2通りがあります。ここでは両方とも押さえておきましょう。
方法①:別々にカウントして合計する
もっともシンプルな方法です。空三振数・見三振数をそれぞれ別の列に出しておき、最後に足し算するだけです。
=COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!G:G,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!H:H,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!I:I,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!J:J,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!K:K,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!L:L,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!M:M,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!N:N,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!O:O,"空三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!P:P,"空三振")
見三振数(I列)を出したいときは、この式の「空三振」の部分を「見三振」に置き換えるだけでOKです。
=H2+I2
空三振(H2)と見三振(I2)を足すだけの、シンプルで間違いにくい計算式です。
方法②:ワイルドカードで「三振」を含む記号をまとめてカウントする
「空三振」も「見三振」も、どちらも末尾に「三振」という文字を含んでいます。ここで第35回で学んだワイルドカード(*)の出番です。
=COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!G:G,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!H:H,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!I:I,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!J:J,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!K:K,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!L:L,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!M:M,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!N:N,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!O:O,"*三振")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!P:P,"*三振")
"*三振"は「末尾が三振という文字で終わるすべての記号」を拾う条件です。これなら「空三振」も「見三振」も一度にカウントできます。
空三振数・見三振数も個別に記録しておきたいなら方法①(別々に集計して合算)がおすすめです。「三振の合計さえわかればいい」というなら方法②(ワイルドカード)のほうがすっきりします。どちらを選んでも、結果は変わりません。
四球数・死球数の関数(おさらい)
四球と死球は第39回の除外ロジックですでに作りましたが、ここで改めて整理しておきましょう。
=COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!G:G,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!H:H,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!I:I,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!J:J,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!K:K,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!L:L,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!M:M,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!N:N,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!O:O,"四球")
+COUNTIFS('フォームの回答(野手)'!E:E,A2,'フォームの回答(野手)'!P:P,"四球")
死球数(D列)にしたいときは「四球」を「死球」に変えるだけです。どちらも完全一致でカウントするので、ワイルドカードは必要ありません。
例で確認してみよう
ここまでの関数が実際にどう動くのか、たとえばこんなフォーム回答データがあったとして、具体的にイメージしてみましょう。
| 試合 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 |
|---|---|---|---|---|
| 第1試合 | 空三振 | 四球 | (なし) | (なし) |
| 第2試合 | 二飛 | 空三振 | 中飛 | 一飛 |
このサンプルデータをもとに関数を当てはめると、集計結果は次のようになります。
| 項目 | 結果 | 内訳 |
|---|---|---|
| 打席数 | 6 | 「打なし」以外の打席すべて |
| 空三振数 | 2 | 第1試合①・第2試合② |
| 見三振数 | 0 | なし |
| 三振数(合計) | 2 | 空三振2+見三振0 |
| 四球数 | 1 | 第1試合② |
| 死球数 | 0 | なし |
三振・四球・死球の列構成まとめ
ここまでの内容をふまえて、年間(野手)シートに次のような列を追加していきます。
| 列 | 項目名 | 集計方法 |
|---|---|---|
| C列 | 四球数 | 「四球」と完全一致をCOUNTIFS |
| D列 | 死球数 | 「死球」と完全一致をCOUNTIFS |
| H列 | 空三振数 | 「空三振」と完全一致をCOUNTIFS |
| I列 | 見三振数 | 「見三振」と完全一致をCOUNTIFS |
| J列 | 三振数 | H2+I2(または「*三振」のワイルドカード) |
- 「空三振」「見三振」の表記がフォームの選択肢と完全に一致しているか確認する(スペース・全角半角の違いに注意)
- ワイルドカードを使う場合、
"*三振"の前後に余計なスペースが入っていないか確認する - 関数の列指定(G〜P列)が、フォームの回答シートの実際の打席列と一致しているか確認する
- 四球・死球は完全一致でよいので、
"*四球*"ではなく"四球"と書く(余計なワイルドカードは不要)
- 三振には「空三振」と「見三振」の2種類がある。どちらも打数に含まれる
- 三振数は
"*三振"のワイルドカードでまとめてカウントできる - 個別に管理したい場合は別々の列で集計して足し算する
- 四球・死球は完全一致でカウントする(ワイルドカード不要)
- 三振・四球・死球をそれぞれ管理しておくと、出塁率の計算や選球眼の評価にも活かせる
次回予告
次回のテーマは「犠打・犠飛・敵失・野選・併殺をカウントする」です。打数に含まれない特殊な打席の処理方法を、それぞれの野球ルールとあわせて解説していきます。お楽しみに。



コメント