前回はチーム防御率の計算式を完成させました。今回はいよいよチームシートのB〜H列(試合数・勝ち・負け・引分・勝率・得点・失点)を仕上げていきます。
使う関数は COUNTIF と SUM の2つだけです。どちらもこの連載で何度か登場しているので、「見たことある」という方も多いのではないでしょうか。今回はそれをチーム成績の集計にそのまま応用するだけです。難しいことは何もありませんので、気軽に読み進めてください。
集計元はどのシート?
チームシートに自動集計するデータは、フォーム(チーム成績)シートに蓄積されています。試合のたびにフォームから入力した「勝敗結果・得点・失点」が、このシートに1行ずつ積み上がっていく仕組みです。
| 列 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| B列 | 試合日 | 2026/1/25 |
| C列 | 年度 | 2026 |
| D列 | 勝敗結果 | 勝 / 負 / 分 |
| E列 | 得点(自チーム) | 7 |
| F列 | 失点(相手チーム) | 3 |
C列の「年度」は試合日から自動で取り出すか、フォームで直接入力するかのどちらかで管理します。チームシートで年度ごとに絞り込む際のキーになる、重要な列です。
要は、「D列の勝敗を数える → COUNTIF」「E・F列の得点・失点を合計する → SUM(またはSUMIF)」という、とてもシンプルな構造になっています。
試合数・勝ち・負け・引分の集計(COUNTIF)
まずは試合数・勝ち・負け・引分を数えます。「2026年の試合のうち、勝敗結果が〝勝〟のものは何件か」——これはまさに COUNTIF(条件に合うセルを数える関数) の得意分野です。
今回は「2026年」という年度条件も同時に指定したいので、条件が1つのCOUNTIFではなく、複数条件に対応したCOUNTIFSを使います。
=COUNTIFS(条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2)
「条件範囲1で条件1に合い、かつ条件範囲2で条件2に合うセルの数を数える」という式です。
チームシートの各列に入れる式を順番に見ていきましょう。チームシートのA2セルには年度「2026」が入っているので、これを条件として使います。
=COUNTIFS('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2)
C列(年度)が「A2の値(2026)」に一致する行を数えます。これで年度ごとの総試合数が求まります。
=COUNTIFS('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2, 'フォーム(チーム成績)'!D2:D200, "勝")
年度が2026、かつ勝敗結果が「勝」の行を数えます。
=COUNTIFS('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2, 'フォーム(チーム成績)'!D2:D200, "負")
「勝」を「負」に変えるだけです。式の構造そのものはSTEP2とまったく同じです。
=COUNTIFS('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2, 'フォーム(チーム成績)'!D2:D200, "分")
「分」は引き分けの略称です。フォームの選択肢を「引分」や「引き分け」にしている場合は、その表記に合わせて式を書き換えてください。
COUNTIFSの条件は完全一致で判定されます。フォームで「勝ち」と入力しているのに式で「勝」と書いていると、1件もカウントされません。
フォームの選択肢を「勝ち / 負け / 引き分け」にしているなら、式の中も同じ表記で統一しましょう。式を書く前にフォームの選択肢を確認しておくのが鉄則です。
得点・失点の集計(SUMIF)
得点・失点は「数を数える」のではなく「数値を合計する」処理です。年度で絞り込みながら合計したいので、SUMIF(条件に合う行の数値を合計する関数)を使います。
=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲)
「条件範囲の中で条件に合う行を見つけ、その行の合計範囲にある数値を足し合わせる」という関数です。
COUNTIFは「数える」、SUMIFは「足す」——この違いさえ押さえておけば大丈夫です。
=SUMIF('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2, 'フォーム(チーム成績)'!E2:E200)
C列が2026の行について、E列(得点)を合計します。
=SUMIF('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A2, 'フォーム(チーム成績)'!F2:F200)
E列をF列(失点)に変えるだけです。得点の式と構造はまったく同じです。
サンプルデータで計算結果を確認する
例えば、こんな管理表があったとします。2026年の全10試合を、フォーム(チーム成績)シートに見立てて並べてみましょう。
| 試合日 | 勝敗 | 得点 | 失点 |
|---|---|---|---|
| 1/25 | 負 | 4 | 8 |
| 2/1 | 勝 | 7 | 0 |
| 2/15 | 負 | 5 | 6 |
| 3/1 | 勝 | 8 | 2 |
| 3/8 | 勝 | 6 | 0 |
| 3/15 | 分 | 5 | 5 |
| 3/29 | 勝 | 7 | 2 |
| 4/5 | 勝 | 8 | 0 |
| 4/19 | 分 | 5 | 5 |
| 4/26 | 勝 | 5 | 1 |
| 合計(10試合) | 6勝2負2分 | 60 | 23 |
このサンプルなら、試合数10・6勝2負2分・得点60・失点23となります。式を正しく入力できていれば、チームシートのB2〜H2にはこの数値が自動で表示されるはずです。
チームシートのB〜H列に入る値の一覧
| セル | 項目 | 使う関数 | サンプルでの値 |
|---|---|---|---|
| B2 | 試合数 | COUNTIFS(年度のみ) | 10 |
| C2 | 勝ち | COUNTIFS(年度+「勝」) | 6 |
| D2 | 負け | COUNTIFS(年度+「負」) | 2 |
| E2 | 引分 | COUNTIFS(年度+「分」) | 2 |
| F2 | 勝率 | 次回(第79回) | — |
| G2 | 得点 | SUMIF(年度+得点列) | 60 |
| H2 | 失点 | SUMIF(年度+失点列) | 23 |
勝率(F2セル)だけはまだ空欄のままです。勝率は引分の扱いを含めた計算になるため、次回(第79回)でじっくり解説します。
翌年のデータを追加するときはどうする?
「2027年のデータが増えたら、式はどうなるの?」と気になった方もいるかもしれません。チームシートに2027年の行(3行目)を追加したときも、B3〜H3に同じ構造の式を入れるだけです。違うのは参照するA列のセルがA3(2027)になる、その一点だけです。
=COUNTIFS('フォーム(チーム成績)'!C2:C200, A3)
A3が「2027」に変わるだけで、式の構造はまったく同じです。2026年行(2行目)の式をコピーして3行目に貼り付ければ、Googleスプレッドシートが自動でA2→A3へ参照先を変えてくれます。年度が増えるたびに1行コピーするだけ——これが年度別管理の便利なところです。
- 試合数・勝ち・負け・引分は COUNTIFS(年度+勝敗結果) で集計する
- 得点・失点は SUMIF(年度を条件に、得点列/失点列を合計) で集計する
- 勝敗の文字列(「勝」「負」「分」)はフォームの選択肢と完全一致させること——表記がズレるとカウントは0になる
- 年度が増えたら式を1行コピーするだけ——A列の年度を参照しているので自動で切り替わる
- サンプルの2026年成績は 10試合・6勝2負2分・得点60・失点23
- 勝率(F列)は次回(第79回)で計算式を完成させる
次回予告
次回は「勝率の計算と引分の扱い方」です。勝率は単純に「勝ち÷試合数」で求めるのではなく、引分を試合数から除外するというルールがあります。式は 勝 ÷(試合数 − 引分) です。0除算エラー対策のIFERRORも組み合わせて、F列を完成させましょう。
▶︎ 次回:【第79回】勝率の計算と引分の扱い方



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