前回は試合当日(野手)シートの書式を整えました。今回は同じ手順で試合当日(投手)シートを仕上げます。列数が野手シートの19列より少ない15列なので、作業自体はよりシンプルです。ただし投手シートには「投球回の1.1・1.2表記」と「完投・完封のフラグ列(0か1の数値)」という、野手シートにはなかった表示上の工夫が必要です。そこを中心に解説します。
試合当日(投手)シートの列構成を確認する
まずこのシートに何が入っているかを確認します。全部で15列です。
| 列 | 項目名 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| A | 試合日 | フォームから自動参照 |
| B | 〇試合目? | 同日複数試合の区別 |
| C | 選手名 | 投手名 |
| D | 勝 | 0か1(勝利投手なら1) |
| E | 負 | 0か1(敗戦投手なら1) |
| F | セーブ | 0か1(セーブなら1) |
| G | 完投 | 0か1(完投なら1) |
| H | 完封 | 0か1(完封なら1) |
| I | 投球回 | 1.1・1.2表記の小数値 |
| J | 失点 | |
| K | 自責点 | |
| L | 被安打 | |
| M | 被本塁打 | |
| N | 奪三振 | |
| O | 与四死球 |
野手シートと比べて15列とコンパクトですが、D〜H列(勝・負・セーブ・完投・完封)の「0か1」の数値と、I列の「投球回の小数表記」という、見た目の工夫が必要なポイントが2か所あります。
基本の書式設定(野手シートと共通)
まず前回と同じ手順で基本の書式を整えます。野手シートで一度やった操作なので、慣れてきているはずです。
行番号「1」をクリックして1行目全体を選択し、背景色(例:薄いオレンジ #FCE4D6 など野手シートと区別しやすい色)をつけます。続けて太字・中央揃えも設定します。野手シートと色を変えておくと、シート間を行き来するときに見間違えにくくなります。
A1〜O列のデータがある行まで選択して「すべての罫線」を適用します。
全列を選択して列境界をダブルクリックし、内容に合わせて幅を自動調整します。
「表示」→「固定」→「1行」と「列C まで」を設定します。右にスクロールしても試合日・試合番号・選手名が常に表示されます。
D列〜O列をまとめて選択して「右揃え」を適用します。
ここまでは前回の野手シートと同じ手順です。次からが投手シートならではのポイントです。
投手シートならではの工夫①:完投・完封フラグ列の見せ方
D〜H列(勝・負・セーブ・完投・完封)には「0」か「1」が入っています。これはフラグ管理と呼ばれる記録方法です(第64回参照)。「1 = 該当する」「0 = 該当しない」という意味です。
たとえば2/1のSUZUKIさんの行を見ると、完投=1・完封=1・勝=1となっています。完封勝利を記録した試合です。
完投・完封が記録される試合は多くありません。つまりG・H列には「0」が並びがちで、「1」が埋もれて見えにくくなることがあります。
対策として2つの方法があります。①条件付き書式で「1」のセルだけ色をつける、②列幅を思い切り小さくして「0が並ぶ列」として割り切る——どちらでも構いません。
おすすめは①の条件付き書式です。「1」が入ったセルだけに色がつくので、完封・完投の試合が一目でわかります。手順はこうです。
D2〜H列のデータが入っている最終行まで選択します(D2:H100 のように余裕を持って選んでもOKです)。
メニューバーから「表示形式」→「条件付き書式」の順に進むと、右側にパネルが開きます。
「セルの書式設定の条件」を「次の値と等しい」にし、値に「1」と入力します。書式スタイルで背景色を黄色(#FFEB3B)など目立つ色に設定して「完了」をクリックします。
| 列 | おすすめの色 | 理由 |
|---|---|---|
| D列(勝) | 薄い青(#BBDEFB) | 勝利→青のイメージ |
| E列(負) | 薄い赤(#FFCDD2) | 敗戦→赤のイメージ |
| G列(完投)・H列(完封) | 黄色(#FFF9C4) | 特別な記録として目立たせる |
色はあくまで例です。チームの好みで自由に変えてください。ただし色を使いすぎると逆に見づらくなるので、「勝・完封・完投」の3種類程度に絞るのがおすすめです。
投手シートならではの工夫②:投球回列(I列)の表示
I列(投球回)には「1.1」「4.0」「0.2」といった小数値が入っています。これは第58〜59回で解説した「1回と1/3を1.1と表記する」野球独自のルールに従った数値です。
この列については、表示形式をそのまま小数2桁にしてしまうと問題が起きます。
たとえば「7.0」を小数2桁表示にすると「7.00」と表示されます。これはよいのですが、「1.1」を小数2桁表示にすると「1.10」と表示されます。
「1.10」は見た人に「1イニングと10/100」と誤解される可能性があります。本来の意味は「1イニングと1/3(=1アウト)」なので、表示形式を変えると意味が変わって見えてしまうのです。I列(投球回)は表示形式を変えずにそのままにしておくのが正解です。
一方で、列幅の調整と右揃えは問題ありません。I列も他の数値列と同様に右揃えにしておきましょう。
実際のデータで完成形を確認する
書式設定が完了した状態で、今シーズンの2026年1月25日の試合(3投手が登板した試合)を表示するとこうなります。
| 試合日 | 試合目 | 選手名 | 勝 | 負 | S | 完投 | 完封 | 投球回 | 失点 | 自責 | 被安 | 被本 | 奪三 | 与四死 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1/25 | 1 | SUZUKI | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
| 1/25 | 1 | NAKATA | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.1 | 4 | 4 | 1 | 0 | 3 | 4 |
| 1/25 | 1 | YAMAMOTO | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 2/1 | 1 | SUZUKI | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 7 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 |
条件付き書式が効いていると、NAKATAさんの「負=1」が薄い赤、SUZUKIさんの「勝=1・完投=1・完封=1」が色付きで一目でわかります。0が並ぶ行の中で1だけがハイライトされるので、その試合の記録を素早く読み取れます。
野手シートと投手シートで色を使い分けるメリット
| シート | ヘッダー色(例) |
|---|---|
| 試合当日(野手) | 薄いブルー(#CFE2F3) |
| 試合当日(投手) | 薄いオレンジ(#FCE4D6) |
| 年間(野手) | 薄い緑(#D9EAD3) |
| 年間(投手) | 薄い黄色(#FFF2CC) |
複数のシートを毎週切り替えながら使うと、「今どのシートを開いているか」が瞬時にわかります。チームで共有して複数人が使う場合は特に効果的です。
- 試合当日(投手)シートは全15列——野手シートより少なくシンプル
- 基本の書式設定(背景色・太字・罫線・列幅・ウィンドウ枠固定・右揃え)は野手シートと同じ手順でOK
- 完投・完封・勝・負の「フラグ列」には条件付き書式で「1のセルだけ色をつける」と、特別な記録が一目でわかる
- 投球回列(I列)は表示形式を変えない——「1.1」を小数2桁に変えると「1.10」になり意味が誤解される
- 野手シートと投手シートでヘッダーの色を変えると、シート間の見間違いが減って使いやすくなる
- これで第10章「試合結果ページ用シートを整える」の書式設定が完了——次回はシートをホームページに埋め込む方法を解説する
次回予告
次回は「試合当日シートをホームページに埋め込む方法」。Googleスプレッドシートには、シートを公開してウェブページに埋め込む機能があります。埋め込み用URLの取得から、WordPressへの貼り付け方、表示範囲の指定まで、実際の手順を解説します。



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